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お知らせ・プログラミング学習のトピック
3/30/2019 STEM教育とはなにか(Vol.1) 「STEM」とは?近年、STEMというワードがメディアや政府関係などで話題になっています。でも、結局のところSTEMとは何なのか、それはどこから来て、なぜ注目すべきなのか…。初回はそんな基本からお話したいと思います。 STEM(当初はSMET)というワードは、2000年代初めに、米国立科学財団の当時の理事長、Judith Ramalay博士が唱え始めたものです。STEMは科学(Science)・テクノロジー(Technology)・工学(Engineering)・数学(Mathematics)を表す頭字語ですが、それ以上を意味します。4つの分野にまたがる教育への学際的なアプローチを推進する草の根運動の名前なのです。米国では10年ほどでSTEM教育が定着しはじめ、2009年にオバマ政権がローンチした「イノベーションのための教育」キャンペーンといった政策もあり、さらに促進されました。
STEM教育は、現実世界に則して教えることの利点にフォーカスし、伝統的な教育の「サイロ」状態を解体。融合された学習環境を通して、科学・テクノロジー・工学・数学関連のトピックに取り組む、というものです。たとえばSTEM数学なら、練習問題に工学、テクノロジー、または科学の要素も含まれており、生徒は新しく身につけた数学の知識をどう役立てられるのか、その可能性も知ることができます。ローマ史について学ぶなかで古代形式の弓を製作するといった、4分野すべてにまたがる知識を統合させたアクティビティなども可能でしょう。STEM教育では、教室のなかだけにとどまらない実践的なアプローチを用いて、問題解決スキルを教えます。生徒は証拠を特定し、科学的方法に従い、発見から論理的な結論を導き出す方法を学ぶのです。このようにして、STEM教育は批判的思考力(クリティカルシンキング)と問題解決能力を養うのに役立ちます。 この教育は、中等教育および中等教育を終了した生徒に限られたものではありません。 STEMの賛同者たちは、幼稚園の年少からこのカリキュラムを開始するのがよいとさえ考えています。「私はいつもタイガー・ウッズのような人物[中略]と同じだと考えています。神経の可塑性が活発で、より早く物ごとを理解できるような年齢からはじめければ、チャンスを逃してしまいます」とは、stem.orgの創設者Andrew Raupp代表の弁です。目標は、その知識がごく自然に子どもの思考プロセスの一部になるよう、STEM関連トピックをはやくから取り入れること。これはたとえば、非常に幼いころから楽器を習い始めたプロのミュージシャンのようなもの。工学のような複雑なトピックでさえ、形を変えて幼い子どもに教えることは可能です。 では、なぜSTEMが現代の職場に備える上で非常に重要なのでしょうか。次回、この続きをお話します。 コメントの受け付けは終了しました。
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